結論から言うと、聞き流しはある程度の効果がありますが、それだけで英語を習得するのは不可能です。聞き流しはあくまで補助的なもので、本当に必要なのは集中した多視聴多聴です。
実はほとんどの人が間違った方法で聞き流しをしています。
この記事では
- 間違った聞き流し方法
- より効果的な聞き流しをする方法
- 聞き流しに役立つアプリ
- 聞き流しよりも効果のある英語学習方法
を紹介します。
聞き流しは間違ったやり方をしている方も多いので、聞き流しをする前に必ず本記事を最後までお読みください。
目次
聞き流しとは
goo辞書の「聞き流す」の定義は以下の通り。
きき‐なが・す【聞(き)流す】 の解説
[動サ五(四)]聞いても心にとめないでおく。聞き捨てにする。聞き過ごす。「そんなうわさは—・すことだ」
引用元:https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E8%81%9E%E6%B5%81%E3%81%99/#jn-50944
つまり、意識を向けずに音声を流している状態のことですね。
流し聞きとは?
聞き流しと同じ文脈で使われている印象です。聞き流しと同じと捉えてOK。
英語や外国語の学習方法として有名
聞き流しは、主に英語やフランス語、ドイツ語、韓国語、中国語等の言語学習の学習に使われています。
聞き流しのメリット
聞き流しのメリットは以下の通り。
- ハードルが低い
- 英語に対する抵抗感がなくなる
- 場所を選ばない
- なにかをしながらできる
- 発音が良くなる
- リズムや抑揚が身に付く
- 多少はインプットになる
順番に解説します。
ハードルが低い
聞き流しは文字通り音声を流しておくだけなので、実行するハードルが低いです。他の学習方法ができなくても聞き流しならできるという方も多いはず。
英語に対する抵抗感がなくなる
個人的に最大のメリットはこれだと思います。聞き流しで無意識に英語を聴き続けることで英語に対する抵抗感がなくなってくるので、他の英語学習にも良い影響を与えるかもしれません。
場所を選ばない
音声を聞ける環境さえ整っていればどこでも可能。
なにかをしながらできる
集中が必要な作業をしながらでも、聞き流しなら可能です。
発音が良くなる
聞き流しとはいえ大量に英語の発音を聞くので、発音が良くなります。カタカナバイアスがひどい人は、聞き流しから始めてもよいかも。
カタカナバイアスとは日本語が母国語の人が発音をカタカナに置き換えて認識してまうバイアスのこと。詳しくはカタカナ英語を矯正する方法を解説した記事をご覧ください。
リズムや抑揚が身に付く
ネイティブの自然な音声を聞き続ければ、英語の持つリズムや抑揚が身に付きます。
多少はインプットになる
自分のレベルに合ったコンテンツを流し聞きすれば、多少はインプットになります。
聞き流しのデメリット
聞き流しのデメリットは以下の通り。
- 間違ったやり方をしてしまいがち
- 不必要に有料の商材を買わされがち
- 効果が薄い
順番に解説します。
間違ったやり方をしてしまいがち
聞き流しでは、後述の間違ったやり方をしがちです。
不必要に有料の商材を買わされがち
聞き流しをするにあたって有料の商材は、基本的に必要ないです。単語集やフレーズ集CDなどの教材を買う必要は一切ないです。無料で聞き流しできるコンテンツは後述します。
効果が薄い
より効果的な聞き流し方法を後述しますが、それでも後述する集中した多視聴多聴に比べたら圧倒的に効果が薄いです。
聞き流しはどんな人におすすめ?
以上のメリットデメリットを踏まえて、以下に聞き流しが向いている人を挙げます。
- 英語に抵抗感を感じる人
- 少しでも英語力を伸ばしたい人
順番に解説します。
英語に抵抗感を感じる人
聞き流しをすることで、簡単に英語への抵抗感を減らしたい人におすすめ。
少しでも英語力を伸ばしたい人
なにか集中して作業している間に少しでも英語力を伸ばしたいという方にもおすすめ。
間違った・意味のない聞き流し
効果の薄い聞き流しや意味のない聞き流しをしている人も多いです。中にはむしろ逆効果になってしまう物も。以下に具体例を挙げました。
- 日本語で英語を解説している音声
- 単語集
- フレーズ集
- 非ネイティブの音声
- 日本人の作ったコンテンツ
- 同じ音声をずっと聞く
- 自分のレベルに合っていないコンテンツ
- 洋楽
順に解説します。
日本語で英語を解説している音声
日本語で英語を解説している動画や教材は多くありますが、英語の習得には直接関係がありません。
日本語を経由した時点で英語を理解するのは不可能です。その時間で本物の英語に少しでも触れましょう。
単語集
単語帳を音声にしたような教材やYoutubeの動画で学ぶのはやめましょう。単語の意味を和訳で覚えてしまうのは危険です。
なぜなら言語は一対一で対応するものではないからです。特に日本語と英語は距離が遠い言語ですので、英語の単語を日本語の単語に完璧に訳すのは不可能。
単語は自然な文脈を数多くのパターンで触れて理解するものです。また発音の観点でも、単語の発音というものは前後の音で変化するものなので、様々な文脈・文章のパターンで触れるのが重要です。
単語の聞き流しCDでは、下手したら例文が含まれていないケースさえもあります。単語学習として論外です。単語集を聞くなら、自然な英語を聞きましょう。
フレーズ集
フレーズを丸暗記するのではなく、自然な英語をたくさんインプットしましょう。フレーズの意味を日本語に訳して丸暗記するのは論外です。なぜなら言語は一対一で対応しないから。
そもそも暗記が目的なら聞き流しとは相性が悪いです。
非ネイティブの音声
非ネイティブで英語を完璧に発音できる人はほとんどいません。少なくとも日本人には存在しないと考えて良いです。
帰国子女の場合も0歳から15歳まで一つの国で育ったような方以外は発音がおかしいことがほとんど。
間違った発音を大量に聴いていたら、それが定着してしまいます。聞き流しの数少ないメリットである発音の向上が全く機能しなくなるので、非ネイティブの音声は絶対に避けましょう。
日本人の作ったコンテンツ
言語においてはネイティブが正解です。日本人の作った英文を聞き続けることは、間違いを暗記し続けることとイコール。
ネイティブが音声を担当していても、日本人向けに過度に簡単にしようとした結果、発音がおかしくなってしまっているケースもあります。
同じ音声をずっと聞く
一種類の音声をずーーーーっと聞くのは完全に間違っています。車に同じCDを突っ込んで同じ音声を聞いていた方も多いのではないでしょうか。
言語というのは様々な文脈に触れることで理解が進みます。
例えば「apple」という単語を何十、何百パターンの文章や映像で触れることで脳が自然に意味を推測し、理解するのが言語学習です。
一種類だけを聞き続けるのは、「31u9uf hfwfy gruhu;」という謎の暗号を聞き続けて、突如意味を理解しようとするのと同じです。それができたら超能力者です。
自分のレベルに合っていないコンテンツ
なるべく自分のレベルに合ったコンテンツを聞き流しましょう。
当サイトではそれぞれの英語レベルを
- 初心者・・・初心者向けのコンテンツの理解度が8割未満
- 中級者・・・初心者向けのコンテンツを8割以上理解できるが、中級者向けのコンテンツの理解度が8割未満
- 上級者・・・中級者向けのコンテンツの理解度が8割以上
と定義し、それぞれのコンテンツを
- 初心者向けのコンテンツ・・・ネイティヴの幼児以上が理解できる内容
- 中級者向けのコンテンツ・・・ネイティヴの小学生以上が理解できる内容
- 上級者向けのコンテンツ・・・ネイティヴの中学生以上が理解できる内容、もしくは複数のアクセントが多く含まれるもの(例:アメリカ英語とイギリス英語を話すキャラクター達の出番が多い)
と定義しています。
理解度とは、
英語を聞いたときに、日本語に訳したり、一時停止せずにそのまま理解できる割合を意味します。
自分の英語レベルに合った理解度が4割程度のコンテンツが理想的です。
自分の英語レベルやコンテンツについて詳しく知りたい方は、こちらのイマージョンラーニングのまとめ記事をご覧ください。
自分よりレベルの高いコンテンツの聞き流しでも、発音の向上等メリットはありますが、レベルに合うコンテンツに越したことはありません。
洋楽
洋楽を聴き流ししている方も多いと思います。しかし、洋楽は聞き流しに適していません。洋楽は発音やリズム、抑揚など現実の会話と違う点が多いです。詳しくはこちら「【注意】洋楽を使った勉強やリスニングは意味ない理由8選【英語勉強】」をご覧ください。
効率の良い聞き流し方法
効率の良い聞き流しを実現するコツは以下の通りです。
- ネイティブの作ったコンテンツ
- 自然な文脈
- 様々なバリエーション
- 自分のレベルにあったコンテンツ
- 一度映像付きで視聴した動画
- 一度集中してリスニングした音声
順に解説していきます。
ネイティブのコンテンツ
ネイティブがネイティブのために作ったコンテンツを聞き流しましょう。
自然な文脈
単語集やフレーズ集ではなく、自然な会話やスピーチ、解説などの音声を聞きましょう。
様々なバリエーション
一つのコンテンツを何周もするのは構いませんが、それだけを永遠に聞き流すのは避けましょう。さまざまなコンテンツの様々な文脈に触れるのが重要です。
自分のレベルにあったコンテンツ
なるべく自分のレベルにあったコンテンツを聞き流すことで、インプットによって得られる経験値が上がります。
一度映像付きで視聴した動画
映像付きで集中して視聴した動画(Youtubeやドラマ等)の音声のみを聞き流すことは効果的です。
一度集中してリスニングした音声
集中して聞いたことのあるコンテンツを聞き流すことも効果的です。
聞き流しに役立つアプリ6選
ここでは6つのアプリとそれらの活用方法を紹介します。
聞き流しにおすすめのアプリは以下の通り。
- Youtube
- Hulu
- Netflix
- Audible
- TED
- Podcast
それぞれ解説します。
Youtube
Youtube上には潤沢なコンテンツがあります。通常の動画から音声のみで楽しめるポッドキャストまであるので、非常におすすめ。一度視聴して面白いと思った動画を聞き流すのがおすすめです。
Hulu
海外ドラマが豊富でNetflixよりも月額が安いのが魅力的です。一度視聴した海外ドラマを音声のみで聞き流すのがおすすめ。
Netlix
Netflixの強みはなんといっても豊富なオリジナルコンテンツ。一度視聴したエピソードを聞き流しましょう。
Audible
Audibleなら音声で読書が出来ます。一度読んだ本を聞き流しましょう!
TED
Youtubeの超有名チャンネルであるTEDの専用アプリです。専門家が登壇しプレゼンする型式のコンテンツなので勉強になります。
Youtubeと違い広告が無いので聞き流しに最適。一度視聴した動画を聞き流しましょう。
Podcast
iPhoneなら純正のPodcastアプリ、AndroidならGoogle PodcastやSpotifyがおすすめ。一度聴いたエピソードを聞き流しましょう。
聞き流しよりも効果的なのは集中した多視聴多聴
聞き流しよりも効率の良い学習方法は、集中して行う多視聴多聴です。
多視聴多聴とは私が提唱する学習方法でイマージョン学習法の一種。英語のコンテンツを集中してたくさん視聴、たくさん聴くことで自然に英語を習得するというものです。
集中して英語を聴くので聞き流しよりも当然効率が良いです。
多視聴多聴なら効率が良いだけでなく、コンテンツを楽しむこともできるので一石二鳥です。詳しいやり方については、イマージョン学習のまとめ記事で解説しています。
聞き流しの優先度は低い
英語学習の優先度として、できれば多視聴多聴をして、集中した作業中等余裕のないときに聞き流しをしましょう。正直聞き流しをしないでも全く問題ないです。
まとめ
聞き流しのメリットは以下の通り。
- ハードルが低い
- 英語に対する抵抗感がなくなる
- 場所を選ばない
- なにかをしながらできる
- 発音が良くなる
- リズムや抑揚が身に付く
- 多少はインプットになる
聞き流しのデメリットは以下の通り。
- 間違ったやり方をしてしまいがち
- 不必要に有料の商材を買わされがち
- 効果が薄い
聞き流しが向いている人は以下のような人。
- 英語に抵抗感を感じる人
- 少しでも英語力を伸ばしたい人
間違った聞き流し方法や、効果の薄い聞き流しは以下の通り。
- 日本語で英語を解説している音声
- 単語集
- フレーズ集
- 非ネイティブの音声
- 日本人の作ったコンテンツ
- 同じ音声をずっと聞く
- 自分のレベルに合っていないコンテンツ
- 洋楽
効率の良い聞き流しは以下の通り。
- ネイティブのコンテンツ
- 自然な文脈
- 様々なバリエーション
- 自分のレベルにあったコンテンツ
- 一度映像付きで視聴した動画
- 一度集中してリスニングした音声
聞き流しにおすすめのアプリは以下の6つ。
- Youtube
- Hulu
- Netflix
- Audible
- TED
- Podcast
聞き流しよりもおすすめなのは多視聴多聴によるイマージョン学習。イマージョン学習のまとめ記事は以下。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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